ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
ダークブラウンのワンレンヘアに丸みを帯びた卵顔、瞳は二重まぶたで鼻は団子鼻、口は小ぶりの女が鏡に映っていた。


なんて冴えない顔をしているんだろう。


覇気の感じられない、気の抜けたような目をしている。


疲れているんだろうか?


それとも、日々の生活が単調でつまらないと間抜けな顔になってしまうのか、私の女度は低下していた。


細かい点を言うと、このルックスに加えて私の額は富士額で眉は三日月眉だから元は悪くない。


唯一、コンプレックスに思っているのは鼻くらいで整形は考えたこともない。


現に男の子にはモテる方だ。


私は飛び抜けて美人というわけではないけれど、中途半端な美人といったところだ。


こんな中途半端な美人を恋人の優は「自慢の彼女」と称して学校でも学校外でもプリクラを配り歩いている。


かなりの困ったさんだ。


「優君は性格良さそう」とクラスの女子たちから評判がいい。


私も優は実直でいい奴だと思う。


でも、最近うまくいってない。


セックスのことが関係しているのか、優から気持ちが離れてしまいそうになっている。


他の誰かがいいってわけじゃない。


ただ、相性なんじゃないだろうか?


それとも、これは慣れ過ぎたために起こった倦怠期なのかもしれない。


だとしたら、どうすればいい?


一度、別れてみようか?
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