ルージュ　～盲目の恋に溺れて～
濃いブルーの海と薄いブルーの空、それにそれらを区切る地平線がどこまでも続いているかのように思われた。


「海の幸の５種類のスパゲティがお勧めだよ」


席に着くなり、遠藤さんは囁いた。


私は遠藤さんお勧めのそのスパゲティを注文した。


それは、タコ、イカ、サーモン、エビ、アサリといった魚介類豊富な具とトマトソースを麺に絡めていた。


お勧めだけあって美味しい。


「絶品ですね」


麺をくるくるとフォークに絡めながら私は感想を述べる。


「そうだろう？」


心なしか遠藤さんは嬉しそうだ。


「ところで」


遠藤さんの顔付きが変わった。


表情から笑みが消える。


「その後、前の彼氏とはどうなの？」


私の瞳をじっと見て聞く。


「もう、連絡はないですね。メールも電話も」


「学校で会うでしょ？」


「たまに、見かけるけど気まずくて挨拶さえできなくなりました。全然話してない。どうしたらいいですか？」


すると、遠藤さんは食べかけのスパゲティをそのままにして腕組みして考え始めた。


真剣に私のために考えてくれている。






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