ルージュ　～盲目の恋に溺れて～
付き合って六ヶ月になる。


私たちは公認の仲で親も友達もこのことを知っている。


別れたら周りはどう言うだろう？


ただ、私は距離を取りたい。


このまま優といても惰性的に生きるだけで何の喜びも味わえないまま一生を終えてしまいそうだ。


それは私にとって大きなマイナスだ。


今、どこかで関係を切らないとこのままずっと切れずに関係が続いていくだろう。


そうならないためにも切りたいけれど、どうしても切る勇気がない。


優をふって、もし惜しいことをしたと後で悔やむ結果が待っているかもしれないと思うと躊躇ってしまう。


私は卑怯だ。


優はルックスが悪くないから新しい彼女がすぐできるような気がする。


顔は、丸顔でくりっとした愛嬌のある大きな瞳、高くも低くもない鼻、大きな口だから個人によって好き嫌いが分かれるタイプの顔なんじゃないだろうか？


ただ一つ言えるのは整っていないから美形ではないということだ。


背だって高くない。


私は１６７ｃｍで高いヒールの靴を履けば優に越してしまう。


筋肉もついてない。


ややぽっちゃりの私と並んだら貧相に見える。


だけど、優の必殺技は笑顔だ。


私は、これにやられた。


優には謎の魅力があって笑った時、イケメンになる。






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