ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
第三章 ディープな恋愛
ルージュ
「今朝からずっと、のろけまくり」
目を三角にした花音が刺々しい口調で言った。
卵焼きを箸でつまもうとした私の手が止まる。
「もう、遠藤さんとののろけ話は聞き飽きた。『遠藤さん、遠藤さん』ってうるさいよ。優がかわいそう。別れてすぐ新しい彼氏作っちゃうんだもん」
パンを頬張りながら花音が非難する。
「だって、しょうがないでしょ。できちゃったもんは」
再び卵焼きを箸でつまもうとする。
でも、少しだけ卵焼きを突いてやめた。
冷凍食品の唐揚げをひょいと箸でつまむと口に運んで食べた。
老朽した校舎の教室の一室でお昼のお弁当を今年、同じクラスになれた花音と一緒に食べていた。
一番端の廊下側の真ん中の席で、花音が私のすぐ前に座っている。
今日の天気は雨が降ったり止んだりでぐずついた天気だ。
窓の方を見ると景色は灰色だった。
今日も遠藤さんと会う約束をしているというのに雨だと気分が萎える。
深いため息が出る。
「何、ため息なんかついてんの? 幸せ者のくせに!」
今日の口ぶりから察するに花音は荒れている。
無理もない。
花音は優の味方だからだ。
「優と同じクラスの絵梨から聞いたんだけどさ」
目を三角にした花音が刺々しい口調で言った。
卵焼きを箸でつまもうとした私の手が止まる。
「もう、遠藤さんとののろけ話は聞き飽きた。『遠藤さん、遠藤さん』ってうるさいよ。優がかわいそう。別れてすぐ新しい彼氏作っちゃうんだもん」
パンを頬張りながら花音が非難する。
「だって、しょうがないでしょ。できちゃったもんは」
再び卵焼きを箸でつまもうとする。
でも、少しだけ卵焼きを突いてやめた。
冷凍食品の唐揚げをひょいと箸でつまむと口に運んで食べた。
老朽した校舎の教室の一室でお昼のお弁当を今年、同じクラスになれた花音と一緒に食べていた。
一番端の廊下側の真ん中の席で、花音が私のすぐ前に座っている。
今日の天気は雨が降ったり止んだりでぐずついた天気だ。
窓の方を見ると景色は灰色だった。
今日も遠藤さんと会う約束をしているというのに雨だと気分が萎える。
深いため息が出る。
「何、ため息なんかついてんの? 幸せ者のくせに!」
今日の口ぶりから察するに花音は荒れている。
無理もない。
花音は優の味方だからだ。
「優と同じクラスの絵梨から聞いたんだけどさ」