ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
ほどなくして、予鈴が鳴り本鈴も鳴った。


5時間目の授業が始まる。


でも、5時間目は先生が休みで自習だった。


自習を終えて休み時間を挟んで6時間目が始まる。


6時間目は現代国語の授業だった。


黒板の先生の板書を見ながら現国のノートにシャーペンを走らせる。


ふと、教室にいる生徒たちに目を向けた。


高校生の男子たちは、あどけない表情で居眠りしていたり教科書で隠しながら携帯をいじっていたりして授業をちゃんと受けていなかった。


そんな彼らは休み時間になれば、うるさいほど騒ぎ出す。


物静かで上品で少しのことでは動揺しない大人の遠藤さんとは大違いだ。


私は遠藤さんの魅力にどんどんハマりそうだ。


包容力も経済力もある遠藤さんは同級生とは、わけが違う。


同級生の男の子は落ち着きがなくて皆子供だ。


もう、同級生に興味がなくなった。


男は年上がいいに決まっている。


その遠藤さんと数時間後、会うことになっている。


シャーペンを握る手は汗を掻いていた。


梅雨の時期だから、空気が湿気を含んでいて室内がじめじめしている。


それで、汗を掻いているのかと思っていた。








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