君を救いたい僕ら―愛され一匹狼の物語―
休みの日、僕はいつものように幼なじみの槙沙也佳を家に招いた。沙也佳は僕が女である事を知っている唯一の友人だった。
「ねぇ、沙也佳」
「ん?」
沙也佳はお気に入りの詩集を眺めながら、興味の無さそうな返事をしている。いつものような他愛のない話だと決め込んでいるのだろう。
「僕、相談したいことがあるんだけど」
「どうしたの?」
沙也佳はようやく顔を上げてこちらを向いた。僕の顔はすでに赤くなっていただろう。沙也佳は目を丸くしている。
「もしかして、恋バナ?」
「そう…かな…」
「すごーい!相手は誰なの?」
とたんに沙也佳は立ち上がり、騒ぎ立てた。なんだかんだで彼女もミーハーなのだ。問題はこの先を言うべきかどうか、だ。決心して僕は告白した。
「それが…渡会先輩なんだ…」
数秒の沈黙の後、沙也佳は席についた。
「ゆーり、渡会先輩って男だよ」
「わかってるよ…今までだってこんな気持ちになったこと無いし…」
「私、ゆーりは女の子に恋するんだと思ってたわ」
沙也佳の言葉が冷たく突き刺さる。しかし、僕にだってその気持ちの変化は理解出来ないのだ。
「僕だってそう思ってた。でなきゃこんな格好…」
「そ、そうだよね」
あわてて沙也佳が声を上げる。僕はどこからどう見ても男子中学生。周りと比べれば少々背は低いし、童顔とも言われるが、男子と混じっていて違和感はないはずだ。
「そもそもゆーりは女なんだし、男の人を好きになるのは変なことじゃないわね。いいじゃないの」
沙也佳は一人で納得しているが、僕にはどうもしっくりこない。
「そうかな・・・?」
「そうよ」
沙也佳がいつものようにお姉さん気取りで応える。それに僕は救われた。
「ありがとう。このことは沙也佳と僕の秘密だよ」
「もちろんよ」
そう応えると沙也佳は再び詩集に目をやった。
「まずは渡会先輩とお友達になるところから始めましょうよ」
「ねぇ、沙也佳」
「ん?」
沙也佳はお気に入りの詩集を眺めながら、興味の無さそうな返事をしている。いつものような他愛のない話だと決め込んでいるのだろう。
「僕、相談したいことがあるんだけど」
「どうしたの?」
沙也佳はようやく顔を上げてこちらを向いた。僕の顔はすでに赤くなっていただろう。沙也佳は目を丸くしている。
「もしかして、恋バナ?」
「そう…かな…」
「すごーい!相手は誰なの?」
とたんに沙也佳は立ち上がり、騒ぎ立てた。なんだかんだで彼女もミーハーなのだ。問題はこの先を言うべきかどうか、だ。決心して僕は告白した。
「それが…渡会先輩なんだ…」
数秒の沈黙の後、沙也佳は席についた。
「ゆーり、渡会先輩って男だよ」
「わかってるよ…今までだってこんな気持ちになったこと無いし…」
「私、ゆーりは女の子に恋するんだと思ってたわ」
沙也佳の言葉が冷たく突き刺さる。しかし、僕にだってその気持ちの変化は理解出来ないのだ。
「僕だってそう思ってた。でなきゃこんな格好…」
「そ、そうだよね」
あわてて沙也佳が声を上げる。僕はどこからどう見ても男子中学生。周りと比べれば少々背は低いし、童顔とも言われるが、男子と混じっていて違和感はないはずだ。
「そもそもゆーりは女なんだし、男の人を好きになるのは変なことじゃないわね。いいじゃないの」
沙也佳は一人で納得しているが、僕にはどうもしっくりこない。
「そうかな・・・?」
「そうよ」
沙也佳がいつものようにお姉さん気取りで応える。それに僕は救われた。
「ありがとう。このことは沙也佳と僕の秘密だよ」
「もちろんよ」
そう応えると沙也佳は再び詩集に目をやった。
「まずは渡会先輩とお友達になるところから始めましょうよ」