君を救いたい僕ら―愛され一匹狼の物語―
「ちょっと良人っ!私のネックレスとったでしょ」
入ってきたのは一人の女子高生だ。
「だ、だってお姉ちゃんいらないって言うから」
良人の言葉に姉と呼ばれた少女は覇気のない声で続ける。
「そ、そりゃあ元カレからもらったものなんて、持ってる意味ないけどさぁ…」
ネックレスという言葉で夏樹は思い出した。
「あの、ネックレスって、これですか?」
夏樹は胸ポケットのクロスを取り出した。
「あ、それよ、それ!どうして君が?」
姉が不審者を見るような目つきをしたのに気がついて良人は慌てて口を開いた。
「姉ちゃん、それは僕が渡したんだ。渡会くんは悪くないからね」
「…良人の友だち?」
「はい、まあ」
とりあえずは友達ということになるのだろう。夏樹は頷いた。
「私は真理愛。良人の姉よ」
「渡会夏樹です。よろしくお願いします」
良人はその間に真理愛の腕をつかむと駄々をこねた。
「お姉ちゃん、これ僕にちょうだい」
「男同士でペアネックレスってよくわからないけど、いいわ。あげるわよ」
「やったぁ」
喜ぶ良人を横目に良人の父親・聖人が俺の肩を叩いた。
「夏樹くん」
「はい」
「苦しいことは吐き出した方が良いですよ」
耳元で囁いた言葉に、夏樹は戸惑った。
「えっ…」
「良人の居ない時でも構いませんよ?」
「わかるんですね…」
夏樹は悩みを抱えていることを見破られて、素直に答えた。
「当たっていたかな?」
夏樹は首を縦に振った。聖人は優しく手をとった。
「言いたくなったらおいで」
「ありがとうございます」
「お父さん、何話してるの?」
「良人が学校でちゃんと勉強してるか聞いてたんだよ」
「今日は授業のない日だよ」
「そうだったね。ははは。そうだ、お茶の準備をしよう」
聖人は笑ってごまかすと教会の奥の扉を開けて、中へ入っていった。
入ってきたのは一人の女子高生だ。
「だ、だってお姉ちゃんいらないって言うから」
良人の言葉に姉と呼ばれた少女は覇気のない声で続ける。
「そ、そりゃあ元カレからもらったものなんて、持ってる意味ないけどさぁ…」
ネックレスという言葉で夏樹は思い出した。
「あの、ネックレスって、これですか?」
夏樹は胸ポケットのクロスを取り出した。
「あ、それよ、それ!どうして君が?」
姉が不審者を見るような目つきをしたのに気がついて良人は慌てて口を開いた。
「姉ちゃん、それは僕が渡したんだ。渡会くんは悪くないからね」
「…良人の友だち?」
「はい、まあ」
とりあえずは友達ということになるのだろう。夏樹は頷いた。
「私は真理愛。良人の姉よ」
「渡会夏樹です。よろしくお願いします」
良人はその間に真理愛の腕をつかむと駄々をこねた。
「お姉ちゃん、これ僕にちょうだい」
「男同士でペアネックレスってよくわからないけど、いいわ。あげるわよ」
「やったぁ」
喜ぶ良人を横目に良人の父親・聖人が俺の肩を叩いた。
「夏樹くん」
「はい」
「苦しいことは吐き出した方が良いですよ」
耳元で囁いた言葉に、夏樹は戸惑った。
「えっ…」
「良人の居ない時でも構いませんよ?」
「わかるんですね…」
夏樹は悩みを抱えていることを見破られて、素直に答えた。
「当たっていたかな?」
夏樹は首を縦に振った。聖人は優しく手をとった。
「言いたくなったらおいで」
「ありがとうございます」
「お父さん、何話してるの?」
「良人が学校でちゃんと勉強してるか聞いてたんだよ」
「今日は授業のない日だよ」
「そうだったね。ははは。そうだ、お茶の準備をしよう」
聖人は笑ってごまかすと教会の奥の扉を開けて、中へ入っていった。