【完】キミがいた夏〜Four years later〜
渚は、気でも狂っているように笑い続けていた
一見すれば、お酒で陽気になっただけにも見えるけれど…
きっと…とても傷付いている
「もう何もかもどうでもいいや…ククッ…」
そしてそのせいでこんなに酔い潰れて、そんな台詞を口にするの…
なんて残酷な人
私を目の前にして
美鈴でなくてはダメなんだと、身体中で訴えているなんて
なんてひどい…
ひどい人
だけど…
「綾香…?」
私は持っていたグラスをガラステーブルの上に置いて、渚の着ているシャツに手を伸ばすと
そのボタンを一つ一つゆっくりと外し始めていた