【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「おい綾香…!」
渚は突然、酔いから醒めたようにシャツに手をかける私の手を握った
けれど酔った渚の手を払い除けるのは簡単だった
私は今度は外したシャツの間に手を差し込んで、直接渚の肌に触れた
「私じゃダメなの?」
渚を見つめながら、止められない言葉と涙が一気に溢れ出していく
「私なら渚から離れたりしないよ?」
渚の戸惑った表情
お酒のせいで熱を持った体
「私なら渚の近くでずっといてあげられる…」
渚は目を細めて苦しそうに私を見ていた
私を受け入れてくれなくていい
「美鈴だと思って抱いて…」
美鈴の代わりでいい
ただ…
渚と一緒にいたいだけなのに…
「私…渚のことが…」
その瞬間
渚の唇が私の唇に重なった