【完】キミがいた夏〜Four years later〜




「おい綾香…!」



渚は突然、酔いから醒めたようにシャツに手をかける私の手を握った



けれど酔った渚の手を払い除けるのは簡単だった



私は今度は外したシャツの間に手を差し込んで、直接渚の肌に触れた




「私じゃダメなの?」



渚を見つめながら、止められない言葉と涙が一気に溢れ出していく



「私なら渚から離れたりしないよ?」



渚の戸惑った表情



お酒のせいで熱を持った体




「私なら渚の近くでずっといてあげられる…」




渚は目を細めて苦しそうに私を見ていた



私を受け入れてくれなくていい



「美鈴だと思って抱いて…」



美鈴の代わりでいい



ただ…



渚と一緒にいたいだけなのに…





「私…渚のことが…」








その瞬間



渚の唇が私の唇に重なった






< 102 / 286 >

この作品をシェア

pagetop