【完】キミがいた夏〜Four years later〜
けれど…
幸せな時間はすぐに残酷な時間へと形を変える
とまどう様に私の首筋に移動した渚の唇が所在なくさ迷うと
やがてその動きを止めた
「……渚?」
不思議に思っている私を無視して
渚は彼の背中に回していた私の腕を引き剥がすように外すと、私の顔を悲しそうに見つめた
「綾香…ごめん…」
「え…」
「やっぱり…無理だ…」
そう言って、私の上にあった渚の重みが消える
どうして…
どうしてもダメなの?
私は渚を追いかける様に身を起こすと、そのまま渚の体にすがりついていた
「私…一回抱かれたぐらいで恋人面なんてしないよ…」
「……」
「別に美鈴だと思ってくれても構わないって言ったでしょ?」
渚は私と目を合わせないようにソッポを向いていた
「違う…」
え…?
「綾香は美鈴じゃない…」
ズキンッ━━━━━‥‥……