【完】キミがいた夏〜Four years later〜
わざわざ週末まで待ったのには理由がある
今までの様に普通に会いに来ても、今の様子からすればもう二度と美鈴は俺に会ってはくれないだろう
俺は目の前の建物に視線を巡らす
ネオンや控えめな照明でライトアップされた雛罌粟-hinageshi-は、昼間では考えられないほど妖艶な雰囲気を醸し出していた
そう…確実に会える日を考えれば、営業中
平日ともなれば休みを取るだろうし、お客が少なければ俺を見つけて出てこないなんて可能性もありえる
それらの可能性を全部クリアできるのは、営業中で尚且つ人で賑わう週末しかあり得なかった