【完】キミがいた夏〜Four years later〜



俺はそう聞かれて、店内をチラリと見渡した



美鈴は働いているだろうか?



カウンターの近くで立っていた俺と同じ歳ぐらいの綺麗に着飾った女性が目に入る



美鈴ではないな…



女性は俺と目が合うと、顔を真っ赤にして急いでカーテンの向こうへ引っ込んだ



「…?」



なんだ…?


とにかく、美鈴はまだ店内にはいないようだ


当てが外れたか…



『アサミ』を指名しようか迷った末に、俺は顔を左右に振って指名しないことをボーイに伝える



ボーイはそれを聞くと恭しくカウンター席まで俺を案内して座らせた



何だかよくわからないけど、追い返されずにすんだ



何度か座ったことのある馴染みのあるカウンター席に腰を落ち着けホッとする



この先、何度ここに座ることになるだろう



そんなことを少し考えていると、また馴染みのある声が遠くの方から聞こえてきた



「あら~あなただったの~?」






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