【完】キミがいた夏〜Four years later〜
そして自分自身も足早に反対側に回り込んで身体を運転席に滑り込ませる
美鈴はどうにか脱出しようと車のロックを解除する方法を探していたけれど、場所がわからなかったのだろう
車は美鈴を乗せたまま走り出すことに成功した
「…はぁ~…」
美鈴は車が動き出すのを確認すると、観念したように大きな息をついて車のシートに身を預けた
強引過ぎただろうか?
でも後悔などしていない
4年ぶりに触れた美鈴の温もり
昔もこうやって美鈴を連れ出したことがあった
あれはいつだったか…
「…相変わらずですね…」
同じことを考えていたのか、少しして隣からそんな声が聞こえた