【完】キミがいた夏〜Four years later〜
エレベーターが6階に着いたことを知らせる電子音が鳴り響いくと、俺は逃げられないように再び強く美鈴の腕を掴んで歩き出した
「橘先輩…」
もう一方の手でフォルダーから鍵を探る
「どこなんですか!ここは!」
美鈴の不安そうな顔
澄んだ高い声が通路に響く
ガチャン───────────‥‥……
鍵穴から鍵を引き抜いて、俺は美鈴に向かって微笑んでから
美鈴を掴んでいる腕を自分に引き寄せた
「俺の部屋だよ」
美鈴が何かを叫ぼうとするのと、俺が玄関の扉を開けて美鈴の唇を塞いだのはほぼ同時だった