【完】キミがいた夏〜Four years later〜
やっぱり居留守?
戸惑いながら、今さら閉めるわけにもいかず
けれど確かめてみたい好奇心
それと同時に沸き起こる不安ににかられながら
恐る恐る顔が差し込めるぐらいのスペースを開けて部屋の中を覗き込んだ
暗闇の中に、開けた扉から差し込む一筋の光の道が、玄関先の様子を浮かび上がらせる
乱雑に脱ぎ捨てられた靴
女物のふんわりとした淡い色のストール
私はそれを見た瞬間、あることを思い出した
また?
渚の悪い病気
女の人を連れ込んでいるの?
私はそう思って、熱くなっていく顔を急いで引っ込めようとした