【完】キミがいた夏〜Four years later〜



「私は大丈夫…」


「大丈夫なわけないだろ、俺が勝手に連れて来たから手ぶらなんだし、一人でなんて帰せるかよ…」



そのやり取りを聞きながら、渚が美鈴を無理矢理連れて来たということが嘘じゃないことに内心ホッとしていた



ばかな自分…



渚に騙されることよりも、美鈴に騙されることの方に傷ついて怯えている



親友の彼を好きになっておいて



結局それでもなお親友であって欲しいと願っている





「本当に大丈夫だから!携帯電話持ってるから、ヒロヤに迎えに…」



そう言いながら美鈴はドレスのスカートのポケットから荒々しく何かを取り出そうとした



きっとそれは携帯電話で



取り出す途中で引っ掛かったのか、そのまま足元に大きな音をたてて滑り落ちた







カシャ────────────ン………‥‥





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