【完】キミがいた夏〜Four years later〜



自分に声を掛けられたとは思わなかったけれど、あんな最新の車に乗っている美人が


そんな古典的なセリフを吐いたのかと思うと、奇妙な可笑しさを覚えて思わず顔を上げた


するとすぐに女性と視線がぶつかる



「ね?いいでしょ?」



ああ…


俺に声を掛けていたらしい


運転席に座る女性は、ボディーラインを強調した服装で誘うような笑顔を向けてくる


俺は少し眠た気な視線を彼女にあびせながら、そのぽってりとした唇とその隣にあるホクロで視線が止まった



ぽってりとした…?



ホクロ…



「…は?」



まったく予想していなかった人の登場に襲ってきた眠気が一気にぶっ飛んでいく



「…ママっ!?」


「ダーリン、ちゃお~♪」



俺が気がついたのが相当嬉しかったのか、運転席から身を乗り出して両手で投げキスを振り撒く



回りの視線が痛い…



俺は急いで助手席に近づいて乗り込むと、乗り出すママの肩を掴みながら早く車を出すように促した



やれやれ…



またいらん噂が立ちそうだ…





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