【完】キミがいた夏〜Four years later〜
ああ…
渚の病気がまた始まったようだ
だからと言って、こんなに直接的に相手の女性に会ったのはこれが初めてだった
何が今日はラッキーだ
今日は最悪、最低の…
アンラッキー日だ
何も言うことが出来なくて突っ立っている私に、彼女は勝ち誇った笑顔を向けてくる
そんな彼女を見て、バカみたいだけれど私は少し羨ましくもあった
何も知らないということは幸せなことかもしれない
あなたも私も渚にとっては大差はないのに…
私も何も知らないただの後輩なら…
もしかしたら彼に抱かれることだって出来たかもしれないのに
「何、勝手に出てんだよ…」
そんなことを冷静に考えながら俯いていると、低くてよく通る声が部屋の中から聞こえてきた