【完】キミがいた夏〜Four years later〜
正門に近づくと2人はまたキャアキャアと騒ぎ出した
いや2人だけじゃなくて周りも少しうるさい
「ほらほら!あれ!レベル高くない?」
「いや!渚先輩には負けるけどかっこいい~!」
「私は渚先輩よりタイプかもぉ~」
どうでもいいけど、声大きくない?
聞こえるよ?
ってか聞こえていいのか?
私は何となく居心地の悪さを感じながらも、「渚」が引き合いに出されたことで自然と視線はその人物に移動していた
キャンパスにはおよそ似つかわしくない、着こなされたスーツ姿
真っ黒な伸びた前髪の間から覗く、冷たい瞳
表情のない顔
「やだ!こっち見てるじゃん!!」
うそ…
「え!?こっちに近づいてくるよ!?」
なんで…?