【完】キミがいた夏〜Four years later〜
誘われるまま、入り馴れているリビングに移動する
間取りは1LDK
この部屋に入るのはいつぶりだろう?
生活に必要なモノしかない殺風景な部屋
私は黒い革張りのソファーに身を預けながら部屋の中をキョロキョロ見渡していた
初めて入ったのは新入生歓迎コンパの時…
終電がなくなって、男女数人で渚の部屋に泊めてもらった
そしてその後も何度か同じ理由で泊まった気がする
そのどれも酔っぱらっていて…
この時とばかりに酔ったフリをして渚に抱きついていた
その度に優しい渚は介抱してくれて、最高に幸せだった
我ながらバカな女だ…
コトンッ━━‥‥
目の前のガラステーブルにコーヒーが入ったマグカップが置かれる
それと同時に隣でソファーがグニャリと沈んだ
「どうぞ、ミルクたっぷりでよかったよな?」