【完】キミがいた夏〜Four years later〜
俺と美鈴の会話を遮るように遠慮がちな声が聞こえて
俺たちは同時に声の方に振り向いていた
そこには、いつの間に入って来ていたのか
少し小柄で、優しげな雰囲気の女性がモジモジとしながら立っていた
どこかで見たことがあるような…
「友ちゃん!!」
どうもこの子が噂の『友ちゃん』だったようだ
「美鈴、あたしなら平気だよ今日じゃなくても」
「え!?いやいいよ大丈夫」
「ダメだよ~この人、前にもお店に来てくれた人でしょ?」
そう言って『友ちゃん』は頬を赤らめながら俺を見つめる
あ…
思い出した…
この子確かこの間お店に行った時に、俺の顔を見て裏に引っ込んだ子だ
やっぱり女性は服装やメイクで全く変わるなぁ…
俺はそんなことに小さな感心を覚えながら
「ごめんね、美鈴を今日だけ貸してね」
そう言って彼女に渾身のスマイルを投げ掛けた