【完】キミがいた夏〜Four years later〜
納得いかないような表情で部屋に戻って行く美鈴
それ見ながら、俺は昔に戻ったような錯覚をしていた
もうこうやって話すことも最後になるんだろうか
いや、あるいは何十年後
別々の道を歩んだ後にまた巡り合うこともあるかもしれない
暫くして美鈴が出てきた
メイクはそのままだけれど服装が変わっていた
フンワリとした濃紺のドット柄のワンピース
裾と襟元にレースが付いていて、色白の彼女によく似合ってる
なんだか髪型もクルクルしてて、いつかの希美を思い出す
「フリフリの服が好きなの?」
俺がそう言うと、彼女は顔を真っ赤にして否定した
「べ!別に!たまたまです!」
「?」
何をそんなに焦っているんだろう