【完】キミがいた夏〜Four years later〜
俺は焦る美鈴をビルの前で待たせてパーキングまで車を取りに行き
そのまま美鈴の目の前に車を横付けすると、運転席から身を乗り出して助手席のドアを開けた
美鈴は戸惑いながらも車に素直に乗り込む
俺の意図を感じ取っているように、今日は嫌にスムーズに事が運ぶ
美鈴がシートベルトを付けたのを確認すると、俺は車をゆっくりと発進させた
まずは第一関門突破…
走り出した車の中で美鈴はキョロキョロと周りの景色を確認した後、やっぱり以前と同じ質問を口にした
「今日はどこに行くんですか?」
不安とも期待ともつかない顔
そんな美鈴を見てるとどうしてもカラカいたくなるのは俺の悪いクセだろうか?
「俺の部屋じゃないから安心して」
そう言うとまた顔を真っ赤にして窓の外に顔を向けた
こんなにウブで夜の仕事をしてるなんて、しかもナンバーワンだなんて不思議だ
いや、反対にこんな風だからいいのかも