【完】キミがいた夏〜Four years later〜
美鈴は少し考え込んだ後、信号が青になって車が動き出すのを確認してから口を開いた
「なんか不思議だなって思って…」
「何が?」
「橘先輩が車を運転してるから」
「…前連れ出した時も乗ってたけど?」
「前は…そんなこと考える余裕なくて…」
そう言うと言葉が途切れてしまった
また顔を赤くしているのかもしれない
いつの間にか敬語を使うのもやめている
思えば再会してからやっと普通の会話が出来た気がする
俺はそれを嬉しく思いながら、美鈴の次の言葉を待った
けれどいつまで待っても美鈴からそれ以上言葉は出てこなかった
気になって隣をチラリと盗み見ると、カーウインドウに楽しそうに微笑む美鈴の顔が写っていた
驚いた…
4年ぶりに見る美鈴の笑顔
まさかこのタイミングで見れるとは思わなかった