【完】キミがいた夏〜Four years later〜
そんな何気ない言葉にキュンとする
そんなこと覚えててくれたの?
「ありがと…」
隣に座るいつもより近い距離にいる彼に、心臓が壊れそうなほどドキドキが止まらない
冷静でいろという方が無理な話しだ
「今日はどうした?何か用だった?」
そんな私の気持ちなど知る由もなく、渚は自分のマグカップを傾けながら私の瞳を覗き込む
当たり前だけどそんな態度が悔しい…
『用がなくちゃ来ちゃダメなの?』
そんな風に言ったらどんな反応をするだろう?
でも
そんなこと
言えるはずもない…
「この間…起こしてって言ってたから、何となく…?」
「ああ、そっかそっか」
高校の時よりも少しほっそりとした体
チョコブラウンの髪はウェーブが取れた変わりに、あの頃よりも少し短めにカットしている
私はそんな渚を横目で眺めながら、渚の入れてくれたコーヒーを一口飲んだ