【完】キミがいた夏〜Four years later〜



そうして暫く思い出をなぞるように無言で美鈴の頭を撫でた後
トビーさんは何かを思い出したようにしてハッとしてテイクオフの扉を勢いよく開いた



扉に付いた鈴が何かを知らせるように大きな音で鳴り響く



チリリーン────……‥‥!!




「都!!都!ちょっとこっちにこい!!」



店内のお客さんそっちのけで大声でそう捲し立てるトビーさん



いやもう、何も目に入っていないのかもしれない



少しして、いつものトーンの声が聞こえてきた



「うっるさいわね!
お客さんいるんだから、もう少し静かに呼べないわけ!?
しかもピークが過ぎたからって、いつまでも外で何して…」



トビーさんより騒ぎながら出てきた都さんは俺たちの姿を捉えて話すのを止めた



「…っあら、渚が来てたんだ…」



そしてトビーさんが最初に美鈴を見た時と同様、美鈴を見ても反応を示さない



「渚、友達も連れてきたの…」


「バカか都!よく見ろ!」


「は?バカって…」



はやる気持ちを押さえきれないトビーさんと、相変わらず意味のわかっていない都さん




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