【完】キミがいた夏〜Four years later〜




海の差し出した小さな掌に乗せられていたのは、ピンク色の綺麗なあめ玉


美鈴は涙でグシャグシャになった顔を上げると、海を見つめて小さく問いかけた



「おねーちゃんにくれるの?」



すると海は照れながら小さく頷いて



「これ、しわあせのあめなの
たべるとしわあせになるって、ママがいつもいってるよ」



そう言ってニッコリ微笑んだ



「やだっ、海ったら…『幸せ』でしょ」



都さんが笑いながら海に近づく



美鈴はその小さな手から受け取った小さな幸せの欠片を握りしめ、そしてもう一方の手で海の頭を撫でた



「ありがとう…おねーちゃん…幸せになれるかな?」


「うん!」



海から溢れる満面の笑顔



それとは反対に美鈴の瞳から再び涙が溢れ出していた




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