【完】キミがいた夏〜Four years later〜




「なぎしゃ、おねちゃんいたい…?」



海が不安そうに美鈴を覗き込みながら俺を見てくる



「違うよ海」



俺は海を抱き上げた



「おねーちゃんすごい嬉しいんだよ
海があげた飴玉がうれしいんだ」


「ふーん?
まだいっぱいあるからなぎしゃにもあげる」



そう言って海は俺にも飴を差し出した



「海ったら…その調子でお客さん全員に配ってるのよ」



少し呆れたようにそう言う都さんに海を預けて、俺は美鈴に近づいた



「美鈴…立てるか?」



泣き崩れている美鈴の腕を取ってゆっくり立たせると、俺はトビーさん達に振り向いた



「ちょっと、あっち行ってくる」



俺が指したのは海の方角





< 213 / 286 >

この作品をシェア

pagetop