【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「おお、そうだな久しぶりに行ってこい」
トビーさんのその言葉を聞いてから
俺が美鈴の腕を取ってゆっくりと歩き出すと、美鈴も抵抗せずにそれに続いた
「美鈴ちゃん…」
すると都さんの美鈴を呼び止める声が聞こえて、俺たちは立ち止まってそちらを向いた
都さんは美鈴を呼び止めたものの、何を口にしようか迷っているようだった
けれどすぐに思い立って
「また来てね、絶対来てね!
私たち、ずっと待ってたんだからね!」
そう言って海の小さな手を持ち上げて一緒に手を振った
それを見て小さく手を振り返す美鈴
けれどその言葉に美鈴が返事をすることはなかった