【完】キミがいた夏〜Four years later〜



俺たちはゆっくりと砂浜を歩いていた



夕方に差し掛かった海はまだ人は多かったけれど幾分か落ち着いていて、俺たちは無言でその懐かしい
いつかの風景に身を預けていた



美鈴はいつしか涙も乾いて、どこを見るともなしに海の方をボーッと眺めている



その横顔は4年前、この海で美鈴を見つけた時に見た横顔そのものだった



こうしていると、あの頃と何一つ変わっていないのに
俺たちの関係はあの時とはまるで変わってしまった



けれど変わらない気持ちがある筈だ



それを今日、この場所で俺は確認したかった



この始まりの場所で




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