【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「なあ美鈴…」
美鈴は俺の問いかけに、無言でこちらに顔を向けていた
その目の回りは今日一日泣き晴らしたせいで真っ赤になっている
「もう美鈴に逢いに行くのはこれで最後にする」
美鈴は俺の言葉に頷くこともせず、相変わらず黙って聞いていた
それでいい
何も言わなくていいから、これからする俺の話を静かに聞いてくれ
「もう美鈴を困らせることはしない」
無理やり奪うなんて馬鹿げてる
きっとそれじゃあ意味がない
美鈴の不安は常に付いて回るだけだ