【完】キミがいた夏〜Four years later〜
暮れていく夕日で真っ赤になった美鈴の顔
美鈴は俺を無言で見つめ続けていた
今この手をここで離したら
もしかしたらそれが最後になるかもしれない
けれど俺は信じている
二人を結ぶ糸を
何度も切れそうになったその糸は
夕日に照らされて赤い色をしているはずだ
美鈴が俺を不幸にすると不安を抱いてるなら
俺がその運命ごとひっくり返してやる
俺はそんな決意を固めながら、強く繋いでいた美鈴の両手をそっと離した
その美鈴の手の中には、さっき海から貰った幸せの欠片が握られていた