【完】キミがいた夏〜Four years later〜
でも私達は彼氏と彼女じゃない
ましてやただの先輩と後輩とも少し違う
じゃあ一体この関係はなんだというの?
こんなに近い距離で密室に二人っきりでいても何も起きたりしない
『美鈴』というたった一つのキーワードだけで繋がっている関係
「何て言ったの?」
私は隣にいる渚の腕を触って揺さぶった
もっと近づきたい
触れたい
渚は私の揺さぶる手の動きに逆らうことなく体を揺らしながら、少し俯き加減で笑うとゆっくりと口を開いた
「今日は旦那が出張から帰ってくる日じゃないの?」
え…?
私は揺さぶる手を止めて渚を見つめた
「後腐れないだろ?」
渚のイタヅラッ子の様な笑顔を見て、自分の顔の熱が上がっていく
「この人妻キラー!」
「違う違う!今回はたまたま!」
こんな話ししてくれるなんて益々対象外じゃんか