【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「美鈴ちゃんが来た次の日から妙に張り切っちゃって…
ここんとこずっと海でいるよ
何でも次の大会に出るんだと」
トビーさんの話を聞いていると、美鈴の事情についてはまったく聞かされていない様子だった
だから私も特に具体的な話をせずに話を合わせた
「その大会っていつ?」
「え?あ~…確か…」
トビーさんは机の隅に置かれたカレンダーのメモに視線を落とす
「来週の水曜日からかな…」
っということは一週間後
「そっかありがとう」
「もう帰るのか?」
「うん、あっちに寄って」
「んじゃこれ持っていけ」
トビーさんは私の指差した方を見ると、そう言ってミネラルウォーターを2本差し出した
私はそれを受けとると、お礼を言ってテイクオフを後にした
もちろん目指すのは渚のいる海