【完】キミがいた夏〜Four years later〜



渚はサーフィンをやめて砂浜で休憩を取っている最中だった



あれから…



渚の家で美鈴と出くわしてから今まで、渚とは会っていない



三池くんから聞いた話やこれからのこと



自分の中で整理することがたくさん有りすぎて



それに加えてちょうど良く夏期休暇に突入したことで会うことがなかった



まさか気分転換で来たここで会えるなんて思わなかった



私は戸惑いながらも渚に向かって歩みを進める



渚はこちらに気づくこともなく、暮れて行く夕日と海の方をボーッと眺めていた




「うわっ!?冷て!!」



私はトビーさんから貰ったミネラルウォーターをその横顔にピッタリと引っ付けてイタズラする



「ふっふっ!!」


「…っ…綾香!?」



渚は私を見て、一瞬動揺しているように見えたけれど、すぐにいつもの渚に戻って接してくれた



「サンキュー」


「私じゃなくてトビーさんからだけどね」


「あっちも行ったのか?」


「うん」



そこで一旦言葉は途切れた


テイクオフに美鈴が来たことを私が聞いたとわかったのか


少しバツが悪そうにミネラルウォーターを開けて飲み始めた




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