【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「大会に出るんだってね」
「うん…」
「狙うのはもちろん優勝でしょ」
「ああ」
「あ、違うか」
私がそう言うと渚は不思議そうな顔をして私の方を見た
「優勝と美鈴ね?」
渚の考えを言い当てた私を今度は驚いた顔をして見返した
「どうして…」
「誰にも言ってないのにって?
そんなのすぐわかるよぉ~…」
ダテに渚を見続けてないよ私も
渚ならそう思うと思ってた
ううん、そう思っていて欲しい
私は渚の隣に腰を下ろして一緒に暮れていく夕日をながめていた
夕方といっても夏休みのせいかまだ騒がしい声が遠くの方で響く
けれどその喧騒も騒音も何もかもが愛しく感じた
「あのさぁ…」