【完】キミがいた夏〜Four years later〜



私は美鈴の部屋の前まで来て、逸る気持ちを押さえられずにインターホンを押した後、世話しなく扉を叩いていた



ここのことは渚に聞いた



沙羅さんにも了承を得て、入り口のロックの暗証番号も教えて貰えた



頼りない運転だけど、私はまたお姉ちゃんの車を借りてここまで美鈴を誘いに来たのだ



そう



今日はサーフィンの大会の最終日



美鈴には最終日しか告げていないと言っていた渚



その前で負けるようなら今の俺は美鈴には相応しくないのだと



そしてその言葉通り渚は順調に勝ち残ってセミファイナル進出を果たしていた



今日、勝っても負けても美鈴にはそれをどうしても見届けて欲しい



「まさか…出掛けてるんじゃないでしょうね…」



なかなか開かないドアに痺れを切らしながら私が待っていると、それとは反対にゆっくりと扉は開かれた





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