【完】キミがいた夏〜Four years later〜
走り出しは快調だった道のりも
海に近づくごとに混雑して行く
雨も相変わらず降ったり止んだりの曇り空
私の気持ちを代弁するように不安な気持ちを掻き立てる
そして渚のライディングまでたっぷりの残っていると思っていた時間が、いつしか間に合うのかも怪しくなっていた
「もう!何でこんなに混んでるのよ!」
私はイライラした気持ちが隠せずにハンドルを握りながらそんなことを口にしていた
けれどそれとは対照的に涼しい顔をしている美鈴
その落ち着き過ぎた態度にまた更に苛立ちを感じる
「心配じゃないの?」
「え?」
「渚のサーフィンを一番応援してたのは他でもない美鈴じゃないの?」
私がそう言うと美鈴は何が可笑しいのか笑って見せた