【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「何?」
「橘先輩は大丈夫よ」
「え?」
「私がいなければ大丈夫」
私はその言葉の意味がわからなくて顔をしかめた
「美鈴…それどういう…」
「そのままの意味だよ
反対のことを言えば私がいったら優勝出来ないかも」
そう言った美鈴の顔をもう一度見ると、笑っていると思っていたその顔が泣いているように見えた
そうだ…
美鈴の呪縛はまだ溶けていないんだ
美鈴はそうやって自分に付きまとっている不幸から、渚を遠ざけようとしている