【完】キミがいた夏〜Four years later〜
side 綾香
**side 綾香**
車の前に出来た渋滞は相変わらずノロノロとしか動かなかった
よくよく調べてみると、どうも事故があった様子
夏休みに入ってペーパードライバーが突然増えるのが原因かも知れない
もう会場はすぐそこだというのに…
けれど車をここに放置して出ていく訳にも行かず
私がハンドルにヒジを付いて大きなため息を付いていると、美鈴の白い手が私の顔の隣に無言で差し出された
よく見るとそこにはガムが握られていて
私は「…ありがと」っと言ってそれを素直に受け取って噛み始めた
「道のりは長そうね…」
美鈴がボソリと呟く
「うん…なんかゴメンね…もっと他の道から行けば良かった…」
今からこの渋滞を抜け出すなんてことは出来ない
ましてや私の運転技術では無理だ
そう思ってまたため息が出る
この中々先に進まないジレッタさは何だか、美鈴と渚の関係そのままの気がする