【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「綾香は…どうしてこんなことしてくれるの?」
え?
私はその声に反応して、助手席に座る美鈴に顔を向けた
「…綾香は橘先輩が好きなんでしょう?
なのにどうして私にこんなこと…」
美鈴はそこまで言うと言葉を切った
その疑問は…そうかもしれない
私の今までの態度からすれば、今日の行動は矛盾している
でも私にとっては至極、自然なことで
それを説明するのは難しいように思えた
「早い話が諦めたの」
「え?」
「美鈴の気持ちには叶わないから」
私がそこまで言うと美鈴は目を見開いて驚いた
「私の気持ちって──……」
ピリリリリ──────────………‥‥