【完】キミがいた夏〜Four years later〜
淡いブルーの普通車はよく手入れされていて、持ち主に大事にされていることが伺えた
その車体の色は、まるで今日の空の青さをそのまま写し出しているように眩しい
俺は綾香に促されるまま助手席に乗った
「行くよ!」
「おう…ククッ…」
綾香の張り切った声が何だか可笑しくて笑うと、綾香の手がすぐに飛んでくる
やがで車はユルユルと申し訳なさそうに動き出した
「…ふっ…制限速度ぐらい出そうか?」
「うるさいなー!これからなの!気が散るし!」
全開にしている窓から初夏の爽やかな風が吹き込んでくる
俺はそれを全身で浴びながら久しぶりのドライブを楽しんだ