【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「美鈴…」
「綾香…私…とても怖かったの…」
私は黙って美鈴の次の言葉を待った
彼女がやっと動き出そうとしている
「自分がいることで周りが不幸になっていくのが…
とても怖くて…逃げてばかりだった…」
雲の切れ間からハッキリと太陽が顔を出した
「でも私がいなくても彼が不幸になることがあるなら…
私はそれを助けてあげたい…」
チリチリーン──────……
美鈴は持っていた鈴を見つめる
「こんな私でももう一度…
運命を信じていいの?」
太陽が彼女のその横顔を美しく照らし出して
私はその横顔を見ながら大きく頷いた
「美鈴…それが答えなんだよ…」
そして美鈴はニッコリ笑って呟いた