【完】キミがいた夏〜Four years later〜
もちろん婚約も解消して…
いや元々プロポーズを受けていただけで婚約まではしていない
私はずっと穏やかな生活が送りたいと思っていた
正直、借金もなくなって何不自由なく暮らせることは魅力でもあったし
何より自分を愛していなくてもいいっと言ってくれた相手の言葉に甘えていた
けれどそれは間違いだった
そんな気持ちで結婚しても結局は相手を傷つけて不幸にするだけなのに
あの時の私はそれを…
そんな簡単なことを気づけないでいた
「どうした?」
考え込んでいた私の顔を彼は不安そうに覗き込む
「ううん、何でもない」
「そっか?」
彼は高校の時よりも更に心配性になっている気がする
これも私のせいだろう
「今日、用事ある?」