【完】キミがいた夏〜Four years later〜
私たちはお互いに身支度を終えるとマンションを飛び出した
外は予想通りすごく寒くて
冷んやりした空気に思わず温もりを求めてお互いの体を寄せあい、言葉を喋るたびに真っ白な息が空中に舞って消えていく
「うわ!さみぃ!」
「天気予報で雪降るって言ってたよ」
「マジか!?」
私の手を握ってドンドン歩いていく彼
「歩くの?」
「うん」
「近いの?」
「うん」
「これだけ期待させてそこのコンビニじゃないよね?」
これもよくあること
ホントにイタヅラっ子は健在なのだ
「ちがうって!
いいから黙ってついてこい」
そう言った彼の鼻の頭がトナカイみたいに赤い
全てが愛しくてキュンとする