【完】キミがいた夏〜Four years later〜
私はお互いの顔を見合せて頭を捻りあった後
素直に神父さんの後ろを付いていった
チャペルの庭には綺麗な花が植えられていて、私は案内されながらそちらに夢中になっていた
綺麗な花だな…
お墓に供えたい…
そんなことを考えながら、かつて一緒に暮らしていた大切な家族のことを思い出していた
お母さん、たっちゃん、お父さん
みんな一緒にいますか?
そちらで幸せにやってますか?
お父さんの遺体は地元の自治体によって火葬されて、そのままお母さん達の眠るお墓に安置した
彼はまた改めて報告に行きたいと言ってくれている
そんな彼の気遣いもとても嬉しい
この人で間違いなかったと思わせてくれる
そんなことを考えながら歩いていると、前を歩いていた神父さんが足を止めた
「あれですよ」
神父さんの指差した物は、何だか見たこともないような形をしている
「あれ何ですか?」
彼も同じ疑問を抱いたのかすぐに神父さんに質問する
こういう行動力は見習いたい
私はすぐにウジウジして聞かないクセがある