【完】キミがいた夏〜Four years later〜
俺はいつしか自分が彼女を気にしていることに気がついた
どうしてこんなに気になるのかわからない
けれどそのひたむきな瞳に見つめられたいとさえ思った
そしてその色のない顔は、笑うとどんな風になるのかが知りたい
彼女のことが知りたい
今まで生きてきて、こんな感情を抱いたのは初めてだった
それなりに遊んでいたけれど、俺にとって女の子はそれ以上の存在ではなくて
一番はサーフィンで、毎日そればかりだったから
彼女がいなくなった今
こんなにももがき苦しむ日が来るなんて、あの頃は思いもしなかった
でも俺はあの日思いきって彼女に声を掛けたことを後悔していない
彼女を知らない人生なんて、今は考えられないから