【完】キミがいた夏〜Four years later〜




え…?



俺の声を遮ったのは、彼女の後方から近づいて来るスーツの男



その男は、さっき彼女の飛ばしたはずの日傘を片手にに持って彼女に近付いていた



アサミ?



美鈴じゃないのか?



やっぱり人違いだったのか?



俺は何もすることが出来ずに戸惑った瞳のまま、2人の様子を伺っていた



彼女は美鈴のようで美鈴じゃない…



でも…




「もうそろそろ帰りますよ?」



そう彼女に促すスーツの男が日傘を差し出しながら、彼女の隣に立った



その顔がやっとはっきりと確認できる距離




─────!?




俺はその男の顔を見て


さらに驚いて、その場に足が張り付いた様に動けなくなる




嘘だろう?



どうしてここにこいつが?



体がカタカタと意味もなく震える



血が沸騰していく



怒りとも悲しみともとれない気持ちが喉の奥から突き上げてくる感覚




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