【完】キミがいた夏〜Four years later〜
渚は、断られることは想像もしていなかったのだろう
それは私だってそうだ
今度は渚が目を見開いて希美ちゃんを見つめ返している
「…っ希美、どうしてだよ…!?頼むよ…」
渚の懇願する瞳を避けるように下を向く希美ちゃん
何かを考えるような、そんなイライラした様子には余裕がなく
そんな希美ちゃんを見るのも初めてだ
やがて希美ちゃんは決心したようにそのお人形の様な顔を上げ、渚に向かって今までにない厳しい口調で話し出す
「もう美鈴様のことは諦めなさい!」
「そんなこと…無理だ…」
「渚様は美鈴様にこだわり過ぎなんです!」
「そんなこと今さらだろう!!」
「今だから言うんです!美鈴様はそんなこと望まれていない!」
そこまで言って希美ちゃんはハッとして口元を小さな白い手で押さえた
美鈴が?
望んでいない…?
その言い方は
まるで…