【完】キミがいた夏〜Four years later〜
その言葉に反応したのは私だけではない
「希美…今なんて…?」
渚はゆっくりと立ち上がり希美ちゃんに一歩近づく
「あ…違います、今のは…きっとそうだろうと申しただけで…」
希美ちゃんは自分の失言を急いで言い換えているけれど明らかに様子がおかしい
「希美!?」
「…っ…」
「教えてくれよ、美鈴の居場所を知ってるのか!?」
渚もそれを感じて更に希美ちゃんに近づくと、顔を背けている希美ちゃんの両肩を掴んで揺さぶった
渚の声が静かなカフェテリア内に響きわたる
その様子を渚の人気も手伝ってその場にいた殆んどの人がチラチラと遠巻きにこちらを見ている
けれど渚はそのことを気にした様子を微塵も見せない
今は希美ちゃんの言葉しか聞こえていないかもしれない
しばらくして…
渚に必用に問い詰められた希美ちゃんは大きな溜め息を一つ落とすと
観念したかのようにゆっくりと、静かにその小さな口を開いた